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小児科医のココロ03 いじめに打ち勝つ方法

03 いじめに打ち勝つ方法

いじめに打ち勝つ方法を提案します。実体験に基づくものです。
名付けて亀の子作戦。どうやるのかというと、いじめに対して「無抵抗にいじめられ続ける」のです、亀が甲羅に隠れて身を守るように。ここで重要なのは無抵抗を貫くということです。けっして反撃しないのです。 そんな馬鹿な、やられっぱなしのサンドバック状態でいいのか、と思われるかもしれません。はっきり言ってそれでいいのです。なにも最初からあきらめて泣き寝入りしろというのではありません。これは戦略です。一発逆転を狙う奇策なのです。

いじめる方にだってエネルギーが必要です。イジメてもイジメても、ひたすら耐え続けられたら、いいかげん疲れます。忌々しく思うことでしょう。長期化して陰湿にエスカレートします。そうするとどうなるか。何時かしら偶然に第三者に見とがめられる時がやって来ます。あるいは業を煮やして第三者を巻き込んだいじめを仕掛けてくるようになるでしょう。そうやって悪事が世間に発覚するのを執念深く待つのです。決していじめられている側から告発などしません。逆恨みの素です。あくまでも相手が墓穴を掘るのを手ぐすね引いて待つのです。
もし心が萎えそうになったら、出がけにロッキーのテーマソングを聴きましょう。あるいは、チンピラに立ち向かってヒロインを守り通す高倉健のつもりになるのでもよいでしょう。もし身の危険を感じたら逃げます。引きこもるのも有効でしょう。いずれ相手が自爆する運命にあるのは明白ですから。

世間に知れたとなれば情勢は一変します。聞かれるままに過去の仕打ちをぶちまけるのです。そのためにも忘れないように日記に書いておくか、録音しておくのです。一方的にやられるだけで一度もやり返すことはなかった事実も強調しましょう。無抵抗であったからこそこちらは純然たる被害者であり、世の同情を百%得ることが出来るのです。もし一度でもいじめに反撃していたとなれば、世間は喧嘩とみなします。同情が得られたとしても半減です。それじゃあまりにも口惜しいじゃありませんか。耐えてきた甲斐がない。だから亀の子作戦は無抵抗を貫くことがキモなのです。

いじめが世間に発覚せずに終息することもあります。それでも何年か後に偶然、あるいは同窓会などでいじめた奴に再会することがあるでしょう。その時、上目使いで不敵な笑みを浮かべてやりましょう、『忘れちゃいねーよ、まだ亀の子作戦は続いているんだぜ』と念じながら。そうやって相手に十字架を負わせることが可能です。

今いじめられている方へ。落ち込んだり卑屈になることはありませんよ。むしろ逆です。岡本太郎も言っています、「自分の中に毒を持て」、と。

現在進行形でいじめている方へ。やめた方がいいですよ、損だから。それより、何でいじめるのか自己分析してみたらどうですか、汚名を招かないためにも。