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こどもや赤ちゃんの鼻がつまっているとき、息が苦しそうなとき、どうしたらいいか

普段われわれは何も気にせず自然に呼吸をしています。

しかし、いろいろな原因によって呼吸が苦しくなり、努力して息をしなければならなくなります。

しかも、呼吸は24時間しないわけにはいきません。息苦しそうにしている子どもをずっと見続けるのはとても不安になることでしょう。

さらに、乳幼児などの小さい子は自分からその苦しさを訴えることはできない
でしょう。

大人が子どもをよく観察して判断して下さい。
突然せき込み始めたら、気道異物の可能性もあります!

呼吸困難の程度に応じて以下のような症状が現われていきます。
・息が速くなっている
・息を吸うときにのどぼとけの下の所がペコペコへこんでいる
・みぞおちや肋骨と肋骨の間がへこんでいる (陥没呼吸)
・息をするときに肩で息をするように荒い呼吸になっている
・息を吐く時にゼーゼーと音がする (喘鳴)
・子どもの胸に手を当てると細かい震動が伝わってくる
・顔色が蒼白くなっている
・機嫌が悪く、顔つきが苦しそう
これらの症状がみられたら、悪化していかないか注意して経過を観察してください。
呼吸困難がひどくなると以下のようになります。
即座に医療機関を受診して下さい。
・息を吐きながらうなっている (呻吟)
・鼻の穴が、息とともにひくついている (鼻翼呼吸)
・意識がだんだん遠のいてきている (意識障害)
呼吸困難は、息を吸うときの苦しさと、息を吐くときの苦しさがあります。
どちらの苦しさなのか、あるいはその両方があるのか、子どもの呼吸の様子をよく観察して下さい。
息を吸うときに苦しくなるのは、鼻、のど、気管などの空気の通り道が狭くなる状態で起こります。

風邪で鼻がつまっている時は鼻がズーズー言うでしょう。
それだけで赤ちゃんは息が苦しくなって、おっぱいやミルクを飲む量が減っていきます。
時々哺乳を中断して、息つぎさせて下さい。
いつもと同じ量を飲めなくても、やむを得ないでしょう。

鼻水で鼻がつまっているときに、病院では吸引器で取りのぞいてしまうこともあります。
しかし、すぐにまた鼻水が生じてしまうので効果はほんの短時間のみです。

家庭でも使えるような手動式の吸引器が市販されています。
鼻水を取ろうとしてあまり頑張りすぎなくてもいいと思います。

仮性クループという病気でも呼吸困難に注意が必要です。
ウイルスによる感染症で、高熱を出すことも多いでしょう。
気管の内側に炎症が起こって、そこが腫れてむくんで空気の通るスペースが狭くなります。
よって、息を吸う時にのどがひきつったようになり、ひどくなるとのどが詰まりそうになります。
声はかすれ、咳はオットセイの鳴き声のようになったり、犬の遠吠えに似たような咳になります。

のどが乾燥しないように部屋を加湿して下さい。
このような時には、夜間でも早めに入院施設のある小児科を受診するのがよいと思われます。
医師から入院を勧められたら、しりごみせずそれに従って下さい。
なぜなら、急に呼吸困難が悪化する恐れがあるからなのです。

冬場に流行するRSウイルス感染症による細気管支炎も、呼吸困難の原因となります。
咳と鼻水に高熱 ( 39℃台) を繰り返すようになり、息を吸うのも吐くのも苦しくなる呼吸困難が見られるようになります。

息を吸うときにみぞおちがペコペコへこむでしょう。
特に乳幼児では重症になりやすく多くの方が毎年入院します。
時には人工呼吸器を使うことさえあります。

生まれて一カ月にもならない赤ちゃんまで入院してくることもあります。
体力がない上に呼吸困難が悪化しやすく、小児科医は非常に気をもみます。

うつりやすいので、寒い季節になったらぜひとも赤ちゃんや小さい幼児を人ごみに出さないようにしてください。
よくスーパーやショッピングセンターで赤ちゃん連れを見かけますが、小児科医には非常に危険で無謀に感じられます。
一般の人にもっとRSウイルスの怖さを知ってほしいと思います。

家族からもうつされることもあるでしょう。
家族が風邪をひかないように、持ち込まないように注意してください。
風邪をひいてしまったら、小さい子や赤ちゃんには近づかないようにしていて
ください。