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けいれんで歯を食いしばっているのを見ると指や箸、スプーンなど無理やりこじ入れます。しかし、これもけいれんがとまりにくくなる恐れがあります。

@ 強く刺激しないで下さい。
強い刺激はけいれんを止めるどころか、逆に止まらなくしてしまうことがあります。

従って、けいれんをできるだけ軽く終わらせる秘訣は、意外にも、なるべく静かに見守っていることなのです。

ところが、誰でも初めてけいれんを見れば、とっさに「一刻も早くどうにかしなければ!」と思うことでしょう。
居ても立ってもいられず、身体を大きくゆすったり、背中をどんどんたたいたり、大声で呼んだり、強く抱きしめたり、とにかく何かせずにはいられないものです。

しかし、このような強い刺激はけいれんを悪化させるもとになります。
なるべくそっとしておいてあげて、必要があれば呼吸の介助を行って下さい。

A 口をこじ開けない。

けいれんで歯を食いしばっているのを見ると、多くの人はとっさに口をこじ開けようとします。口を開けないと息が止まってこのままでは死んでしまうと感じられるのでしょう。

矢も盾もたまらず、指や箸、スプーンなど無理やりこじ入れます。
しかし、これも強い刺激になり、けいれんがとまりにくくなる恐れがあります。

こじ入れた指を噛まれてけがをします。
突っ込まれた箸やスプーンなどで口の中を傷つけます。
実際、歯をくいしばって舌を噛むことはめったにありません。
たとえ噛んでもせいぜい舌のはじが少し切れるくらいでしょう。
大したことはありません。
ほっぺたの粘膜をちょっと噛んで切れて出血することもごくまれにあるでしょう。

しかし、もし自分の目の前で子どもがひきつけを起こして、くいしばった口元から血が出てこようものなら、見るのも恐ろしく身の毛がよだつ思いでもう絶体絶命と、焦りの極致に達するでしょう。

しかしそんな時でも、実際は焦らなくていいですから、顔を横向きにしたりあごをうけ口にするなどの呼吸の介助を行って静かに様子を見て下さい。


B 意識が回復する前に、薬や水分を飲ませない。

けいれんが止まった後、だんだんに意識が戻ってきます。
それまでは意識がもうろうとしている時間帯があります。
このときは物をうまく飲み込めない可能性があります。
早くよくしてやろうと、けいれん予防の薬やてんかんの薬、水分をとらせようとすると、誤嚥したり窒息や嘔吐の原因になります。

意識がはっきり戻ってからでよいでしょう。焦って危険を冒す必要はありません。

非常にまれながら、脳波検査の真っ最中に偶然けいれんが起こることがあります。
けいれんをリアルタイムで脳波で見ることが出来ます。
けいれんの最中は脳波計の針がはげしく震えます。
地震のときの地震計の針のようです。
脳が過剰に興奮している様子を表しています。

しかし、けいれんが止まった後は、脳波計の針はいったん動きが乏しくなり、そしてしだいにゆっくりした動きが出てきて、そのうちに正常な脳波のリズムに戻ります。この間、患者さんは眠ったような状態か、もうろうとしています。

その後だんだんに意識がはっきりしていきます。このように、けいれんを止める脳の仕組みが働いてけいれんが治まり、その後脳は休みながら徐々にその秩序を自然に回復していきます。

というわけで、その妨げにならないようにあまり余計なことはせず、そっと見守るのがよいと思われます。
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