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自閉症スペクトラム (自閉症スペクトラム障がい、広汎性発達障がいなどと表現されることもあります) には、知的障がいを伴う自閉症、知的障がいを伴わない高機能自閉症、さらに言語発達の遅れも伴わないアスペルガー症候群が含まれます。

いずれにも共通して、対人交流の障がい、コミュニケーションの障がい、想像力の障がいからくるこだわり行動が見られます。

それぞれの障がいによりみられる特徴を右に示しました。
これらのことが観察されることで診断されます。

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【自閉症スペクトラムの身体感覚】

自閉症スペクトラムの人は身体で感じる感覚が、定型発達の人とはかなり異なっています。
つまり、非常に感覚が鋭敏であったり、逆に痛みなどに鈍感だったりするという事があります。
定型発達の人には気にもとめないような音や光であっても、自閉症スペクトラムの人には耐えがたい苦痛に感じられることがあります。

音や光、あるいはにおいなどの感覚過敏から、押し寄せる刺激に耐えられなくなり、我慢の限界を超えると突然パニックを起こしたりします。
定型発達の人には奇異な行動に映ります。自閉症スペクトラムの人が突飛な反応をする理由の一つには、このような 事情が関係していると思われます。
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【自閉症スペクトラムは 「場の空気を読むのが苦手」】

また、自閉症スペクトラムの人は曖昧なこと、抽象的な概念を理解するのが苦手です。
その場の状況を把握したり、意味を理解することが不得意です。

例えば日常生活の場面でも状況は時々刻々と変化しています。
一生懸命理解しようとしても、その場の状況、意味を汲み取ろうとしても、その暇もなく状況は変化していってしまいついて行けません。
何でもない状況でも「空気を読むのが苦手」なために極度に混乱してしまいます。
周りの状況を理解しようとして一生懸命精一杯で疲れています。
余裕がないのですぐ混乱します。
パニックを起こしたり、気持ちを落ち着かせるための常同行動をします。
とり憑かれたかのようにジャンプを繰り返したり、てばたきをしたり、目の前で手をひらひらさせます。
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【自閉症スペクトラムの子どもに好ましい環境】

自閉症スペクトラムの人は、刺激の少ない落ち着いた環境、その場所で何をすればよいのか決まっていてわかりやすい環境を好みます。

スケジュールがいつもと同じように決まっているのを好みます。
手順が理解できたものを繰り返し行うことは得意です。
いつもと同じ状況なら安心できるのです。

その様子を定型発達の人がみると、他人と関わろうとせず一人で黙々と何かやっていて、自分の殻に閉じこもっている、独りよがり、不気味、何を考えているか察しがつかない、風変わりでどう関わったらよいか分からない、気むずかしいなどと感じられるでしょう。

逆に、自閉症スペクトラムの人は、自由にしていていい時間を過ごすことは苦手です。
何をやったらよいのかわからないのです。
そういう障がいなのです。

ですから、子どもにとって、場所、スケジュール、やるべきことがあらかじめ決められていて指定されている方がよいのです。
それによって子どもは、安心して有意義に過ごすことができます。
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【自閉症スペクトラムのコミュニケーション】

自閉症スペクトラムは人と関わろうとする事が苦手で、コミュニケーションの道具である言葉の発達が遅れます。

外見上は、心を閉ざしているように見られます。
しかし本当は、人とのかかわりを求めていないわけではありません。
発達の障がいによって人を認知できなかったり、関心を持ちにくいのです。
自分のおかれた状況を理解するのが困難なので拒否するように見られます。
「自閉症」という診断名も誤解を生みやすいでしょう。
本当は人とのかかわりを求めています。
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【自閉症スペクトラムの融通のなさ】

決められた約束事、ルールをあくまでも律儀に守ります。
杓子定規に規則を守りすぎるために、かえって外れた行動になってしまうことがあります。臨機応変に行動を変えることが難しいのです。

その結果、融通が利かない、偏屈などと誤解されるでしょう。
もののとらえ方が単一的なので、規則はどんな時でも疑うことなく守るものと思い込んでます。
同じ規則でも時と場合によって使い方をかえることができません。

つまり、並外れた正直、四角四面、涙ぐましい生真面目、類まれな律儀というような一面があります。
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【自閉症スペクトラムの想像力】

自閉症スペクトラムの人には想像力がないわけではありません。
その使い方に問題があります。
場面の状況の把握が不適切で、人の言葉が全部頭に入らなかったり、言葉の字づら通りに言葉の意味を杓子定規に解釈してしまいます。
それらをもとに想像力を働かせるものだから、かたよった発想に陥りがちになります。
その結果、場違いな行動や、本人以外には理解しがたい「こだわり」になってしまいます。

つまり、想像するための情報を取り入れることとその処理がうまくいかないので、必然的に的外れな発想になってしまうのです。
ところが一方では、自分の頭の中に浮かんだことでいろいろ想像することはできるのです。
だからオリジナルなすごい作品を作ったりもします。
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【自閉症スペクトラムの記憶力】

記憶力が高い特徴があります。
中には驚異的といえるほどの記憶力を発揮します。
電話帳や時刻表を覚えてしまったり、一度みた景色を後で細密画のように描くことができたり、映像を一回見てすべてのシーンを覚えてしまうようなこともあります。人の言葉などもそっくり覚えます。

ところが、一つ一つの記憶が頭の中で整理されていません。
ですから、その日に学校で起こったことを訊いてもなかなか答えられません。

何ヶ月も前にいじめられた記憶が急によみがえって、突発的にぶったり蹴って仕返しをしてしまいます。
記憶のフラッシュバックが起こって、本人的には甦った記憶の時点にタイムスリップしているのです。
仕返しされたほうは、訳も分からず突然暴力を受けた格好になります。

いつ何をするか分からないと怖がられたり、気味が悪いと敬遠されてしまいます。
本人にはちゃんとした理由があるのに、それが伝えられず、周りの人は理解しようもなく誤解されてしまうことになります。
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