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放射能汚染について


1.放射能汚染について、
  どのように考えたらよいのでしょうか


福島第一原子力発電所の事故によって放射性物質が大量に広範囲にばら撒かれました。
この悪夢のような現実に誰もが不安になっていると思います。特に現在子育て中の親御さんや妊婦の方はさぞや切実に感じていることでしょう。
私も国

民の一人として自分自身の被曝も心配だし、子どもたちへの影響、これから生まれてくる子孫への影響も懸念しています。ただ「安全だ」とか「健康に影響はない」と言われても、それを鵜呑みにするわけにはいきません。
今後、安心して生活するためにはどうしたらいいのか、自分なりに考えてみました。

私を含めて多くの医者にとっても、環境全体が放射性物質に汚染されるようなことは未曾有の事態です。
私は知識を得るために、まず事故後に緊急に出版された本を買って読んでみることにしました。その結果として、自分は被曝量がどの程度なら安心できるか、自分自身が納得できる基準を決めました。
つまり、それは「年間の被曝量が1mSv以下になること」を基準に考えることにしました。
そして、マスメディアやインターネットを利用して、住環境や飲食物の汚染の程度を数値で把握することにしました。
それらを自分の基準に照らし合わせて判断し、それに応じた対策をとることを目指しました。

事故から半年が過ぎました。
自分の住む群馬の汚染の現状は群馬県のホームページなどで知ることが出来ます。
それらを参考にすると、私の独自の判断では、空気は気にすることもなく、水道水も全く心配ないし、子どもの外遊びもそんなに目くじら立てることはないと思います。
だけど、空っ風が吹いた日は目や口に砂埃が入らないように気を付けたり、子どもが泥で汚れた手を口に入れたりしないように注意したり、子供がすりむいて傷を作ればすぐ洗い、傷口に泥がつかないように絆創膏を貼ったり、それくらいのことはしておきたいと思います。たとえ微量であっても、何の利益もない被曝など、これっぽっちも受けたくはありません。できるだけ予防する努力は行いたいものです。

食べ物については、自分が決めた基準を当てはめて考えると、食材に含まれる放射性物質セシウムが数十ベクレル/kg以下が望ましいという結論になりました。
しかし、実際に自分が口にする食材を自分で測定することはできません。
便宜的に、インターネット上に公表されている検査結果の数値を参考にしています。
自治体や中央官庁、生産者の団体などのホームページから調べることが可能です。
もちろん流通している食材は国の決めた基準値を下回っているものばかりですが、ざっと調べたところではおおかたの野菜類ではセシウムは検出されないか低い値しか検出されていないようです。
どれを買ってもそう心配することはないだろうと思います。
一方では、自分が決めた基準を超えるようなものもあります。露地物のきのこ類、茶葉、果物、海産物などはより注目して、測定結果の推移を見守り続けたいと思っています。

安心して暮らしてゆくためには、放射能汚染の知識を仕入れて、自分で判断する基準を持って、新たな被曝を避ける行動が自主的にとれることだと思います。
つまり、「放射能汚染に対して自立すること」をお奨めしたいと思います、特に汚染の程度が高かった地域の人には。

2011年10月11日

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